痛みの原因
仕事柄色々な痛みや違和感、動かしにくさなどの悩みと向き合う機会が多いのですが、時々それはまず病院へ行った方がよいのでは?と思う症状の方もいます。
その方は「お腹が痛いので鍼をしてください」との希望でした。
聞けば朝から胃と下腹部に痛みがあったものの、病院には行かず仕事と移動をしてきたということでしたが、聞けば聞くほど自分が虫垂炎で入院・手術をしたときの症状に似ています。
反射痛は弱かったのですが、右下腹部の熱感もあり、私の中では虫垂炎確定。
とはいえ診断は医師しかできません。
なるべく早く病院を受診した方がよいことを伝えました。
後日虫垂炎で手術したと伝え聞きホッとしましたが、その痛さはまず病院へ行ってほしいと思ったランキング1位の出来事でした。
肩こりや腰痛も実は内臓からの関連痛が原因ということはしばしばあります。
有名なところでは狭心症や心筋梗塞で起こる『左胸の締め付けられるような痛み』や『前胸部が焼けるような痛み』です。
これらはいわゆる典型的な痛みなのですが、実は典型的ではない場合も少なくありません。
例えば『胃の痛み』のように感じるみぞおちの痛み。
肩や首やあごの痛み。
歯の痛み。
右胸の痛み。
内臓の痛みは体表面で「ここ」と指せる痛みではないため「このあたり」という表現になります。
そのため心臓からの関連痛は上半身のどこに出ても不思議ではないといえます。
しつこい腰の痛みが胆石の手術のあとすっかりなくなったという方もいました。
関連痛は痛みの原因となる部位とは別の部位に感じる痛みのことですが、関連痛に限らず痛みやコリを感じる場所がその原因の場所ではないということはよくあります。
例えば膝をかばって腰痛が出ている場合、腰だけさわって一時的に楽になったとしても原因の膝が改善していなければすぐに元に戻ってしまいます。
痛みは結果としてそこに出ているだけで、原因は他にあるということはよくあります。
情報は詳しかったり多かったりする方が判断するときの助けになります。
病院やマッサージにかかるときには是非一番気になる症状以外の情報も伝えるようにしてみてください。
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